Medical facility |
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医療施設紹介
富士宮市立病院
佐藤 先生 | 森岡 先生 | 院内取材 |
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Interview Vol.001 |
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院長 佐藤 先生
01 | 貴院の特徴は何でしょうか |
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当院のある富士医療圏は、医師少数区域に含まれています。私が赴任した当初は大学からの医師派遣も非常に厳しい状況にあり、深刻な医師不足でいくつかの診療科が回らない状況でした。
浜松医大を中心に色々な大学からご協力頂き、現在は医師61人、研修医9人の計70人とここ数年で10人近く増え、今は診療体制が整ってきました。
富士宮市に総合病院は当院だけであり、峡南地区という山梨県の富士山西側の地域からも患者を受け入れているので、実際には広域の医療圏をカバーしています。ただ、病院が一つしかない事で救急受入れ困難事案もあり、周辺の施設との協力体制を整えています。
02 | 研修の魅力を教えてください |
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元々医療過疎地で医師が不足している地域の病院ですので、研修医の力も非常に大事です。初期研修医から積極的に採用し、常勤医として扱う事で出来るだけ待遇を良くしています。様々な地域から研修希望者が来ますが、静岡県に残る意思のある方を優先して採用しています。環境的には地域医療と救急医療を幅広く学べ、良い研修ができるのではないかと思っています。夏の間は富士山8合目にある富士山診療所の研修もあり、他の施設ではできない経験ができると好評です。
03 | 仕事と家庭の両立をしやすい取り組みはありますでしょうか |
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仕事と家庭の両立への取り組みは必要で重要視しています。大学の医局と相談しながら、女性の先生が多い科ではフルタイムに限らず複数の勤務形態(時短勤務やフレックス等)で柔軟に対応しています。常勤にこだわらず、非常勤としての就業も歓迎しています。また、男性医師も家族と協力しながら勤務できるよう、時短勤務や育児休暇の取得を勧めています。最近では整形外科が一番積極的に仕事と家庭の両立を図るような体制をとっていて、男性医師が育児のため時短勤務制度を利用しています。
また、働き方改革の問題もあり看護部など各部門にお願いして、タスクシェア、タスクシフトの取り組みを行い、各診療科でも会議や症例検討会等をなるべく勤務時間内で終われるような対応をしています。
04 | 若い先生方へメッセージをお願いします! |
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色々な大学病院から専攻医の医師が来ているので、広い範囲の先生方と交流が出来ます。また医師少数区域ということは、逆に若い先生も単に指導されるだけでなく、自身が中心になって診療に携わることができますし、多職種連携も進めていますので責任のある、より充実した研修とすることができます。特に救急医療については富士宮市の二次救急を担っているため、上級医師の指導のもとで良い経験ができる所だと思っています。
Interview Vol.002 |
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担当医師 森岡 先生
01 | ご自身の所属されている小児科の中では他の先生とどのようにコミュニケーション取りながらお仕事をしていますか |
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コロナ禍以前は、食堂に集まって皆で昼食を摂る機会が多く、その際に色々な話を聞くことができていましたが、コロナ禍になってからは難しく、外来の空き時間など工夫してそのような機会を設けてきました。話を聞くとその先生が何を得意としているのか、どういう意識でいるのかが分かるのでそれぞれの長所を仕事の上でうまく発揮できるように、心がけています。
また、私自身も分からないことや助けてほしいことを恥ずかしがらず他のスタッフに伝えるようにして、アドバイスをもらったり、協力してもらったりしながら、お互いに助け合える環境を作っています。
02 | 小児科の時間外勤務や緊急などはどのようにやりくりをしているのでしょうか |
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夜間休日の一次救急は富士宮市の救急医療センターが対応しているため、そこから紹介を受けて、はじめから小児科医が診察する形になっています。当科は当直制ではなく待機制ではありますが、救急車の対応も当直医からのコールで、すぐに対応できるようにしています。待機当番は15分~30分以内で病院に出勤できるようにしており、休日はセカンドコールの医師を配置してバックアップができるようにしています。私は平日の当番を外してもらっていますが、土日は入り、大学医局からの応援も得ながらやりくりしています。
今年(2023年)の前半に感染症が蔓延した際、とても忙しい状況になりましたし、市内の二次救急は全て当院に来るので若手の先生にとっては負担が大きくなりました。急遽大学にお願いし、支援いただきました。今後も、若手の先生の声を拾いながら、大学との架け橋の役目になれればと思っています。
03 | チームワークを築くにあたって大変なところや気を付けているところを教えてください |
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専攻医になったばかりの先生が多かった時は対応に困った際に連絡がよくありました。その時期には夫が仕事で不在の時に連絡が来ることもあったので、短い時間ではありますが、小学生の子どもに事情を話して留守番をさせて病院に行くこともありました。ですから日頃からこどもに、感謝の気持ちを積極的に伝えていますし、我慢させている分できるだけ、こどもとの時間をとるようにしています。
また職場では、若手の先生が一人で抱え込んでしまわないように、各々のできる範囲を私なりに把握しながら、こまめに声かけをしています。他にも、私自身できないことやわからないことをオープンにお願いしたり聞いたりすることで、若手の先生も聞きやすく、ヘルプを出しやすい環境にしようと心がけています。職場でも感謝の気持ちを忘れずに伝えるようにしています。
04 | 他の診療科の先生方と交流はありますか |
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当院には男女それぞれのラウンジがあって、昼食の時などに他の診療科の先生に会えるので、そこで話をすることがあります。大きな医局だと女性は居づらくて、ゆっくり話ができないですが、ここだと情報交換や世間話ができているかんじがします。
05 | 小児科の責任者という立場になった時のお気持ちを教えてください |
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夫の異動や子どもの就学のタイミングをもあり、この病院に戻る際に、大学から責任者の打診がありました。
以前この病院で勤務をしていたときは、小児科だけでなく、他の科の先生やスタッフにもとてもお世話になっていて、私自身、楽しい職場と感じていました。また、自身の妊娠・出産後復帰した際には、科長をはじめ周りの先生が色々サポートしてくださったこともあって「自分も何か役に立ちたい」という気持ちが強かったのだと思います。一緒に仕事をしていた同世代の看護師さんからも「待ってるよ」と言ってもらえたことも大きかったです。
異動という流れに乗ったという事もありますが、自分が戻る事で少しでも役に立てるなら科長というポジションでも頑張ってみるか、という気持ちになりました。
実際に科長業務は大変で、本来は色々な委員会を担当するのですが、若手の先生にも分担してもらっているのが現状です。感謝の気持ちを持ちつつ、若手の先生にとっても診療以外の仕事を知ってもらえるよい機会なのではないか、と思います。
科長は大変ではありますが、結果として自分自身の成長につながっていると感じるので引き受けて良かったと思っています。
06 | 貴院の魅力は何でしょうか |
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働いている方のモチベーションが高く、人柄の良い方が多い印象です。また、特別な制度はありませんが、新しい取り組みを応援してもらえる病院だと思います。
私も発達障害のお子さんを診察しているので学校訪問や講演をしたり、学校教育課や療育センターなどとも連絡を取り合って、病院外での活動もしています。乳幼児健診も行っていますが、虐待予防など保健センターと協力してできることを考えたり、すぐに病院に来るのではなく地域の中でできることを他職種の方々と模索しながら関われています。公立病院ですが、規模が大きくないからこそ、できることだと思います。
Interview Vol.003 |
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院内取材
01 | 富士宮市立病院の魅力を教えてください! |
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1. チームワークを大切にしています
当院は広い地域を支えている病院のため、診療がスムーズにできるよう多職種連携に力を入れています。そのため職員間の雰囲気はとても良いです。
コロナ禍前はフットサルや球技大会を開催したり、佐藤院長を中心に病院でチームを組んで富士宮駅伝に出場したりと親睦を深めていました。まだ、以前のように活発には活動できていませんが、これからまた交流の場を設けて行けたらと考えています。
2. 医師専用ラウンジがあります
別棟に新しい医局を作った際、男性用・女性用の休憩スペースも設けました。
広いスペースとなっているので、各々がゆったりと過ごしたり、リラックスして話が出来たりと先生方の情報共有の場として活用されています。
3. 家庭との両立も応援します
男性育休制度が広く認知されたことで、男性医師が時短制度を利用したり、短い期間ですが育休を取得する方が増えてきました。復帰に当たっては敷地内に小規模の託児所があるので安心して復帰できます。
4. 富士宮市立病院のお薦め
富士宮市は気候が穏やかで富士登山をはじめ、海や山など様々なアクティビティを楽しめる地域で子供と遊ぶスポットもたくさんあります。自然豊かな環境で働くことが出来ます。もちろん当院からもとても大きな富士山が見れます!
そして当院は富士宮駅から徒歩2分と便利な立地にあり、近隣には大型ショッピングモールがあるのでとても便利。仕事と家庭の両立をされる子育て世代には住みやすい地域だと思います。
院内にはボランティアの方が季節の花を楽しめるよう中庭の花壇を定期的に手入れしてくださったり、廊下に色々な絵を飾ったりと、当院に来られた方や入院中の患者さん、職員の目を楽しませてくれています。